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kou1960

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貴女が吸い込んだセブンスターの煙が
部屋に広がる
香りが僕を心地よくさせてくれるが
僕は煙草を吸わない

貴女が吸い込んだセブンスターの煙が
揺らめき上っていく
煙を追う貴女の屈託のない表情が僕を癒してくれるが
僕は煙草を吸わない

貴女が吸い終えた煙草の抜け殻を
ステンレスの灰皿に押し付ける
貴女の濃い口紅の色がついた吸殻は
僕を誘うかのようにみえる

次の煙草を銜えた貴女はマッチをこすり
目を瞑って煙草に火をつける
貴女の煙草を求めるその表情があまりにも美しく
僕はその横顔をずっと見ていたい

細く白い指で挟まれた煙草から蒼い煙が立ち昇り
それは貴女という女性の生き様を
そこに立ち上らせて消えさせていく儚さか
それとも何かを誘う狼煙のようなものか

セブンスターを二本吸い終えた貴女は
思い切ったかのように僕を促す
僕は無言で貴女に抱きついていく
セブンスターの香りが残る唇に覆いかぶさりながら

明かりの消えた部屋
かすかに残るセブンスターの香り
貴女と僕の汗の香り
蒼暗い部屋の中で
時折柔らかく白い肌がうごめいている

僕は必死に貴女の姿を追い求め
時として貴女に置いてきぼりを食う
貴女は僕などに構わず
自由自在に海の中を泳ぎまわる
セブンスターの香りが漂う蒼暗い海を

こうしてこの時間が永遠に続けばよいものを
僕はそう思うが
それは男の勝手な幻であり
用が済むとさっさと下着をつける貴女は
すでに僕のことなど眼中にないかのようでもある

明かりの点けられた部屋の中で
下着姿でセブンスターを銜え
ゆっくりと吸い込み青い煙を立ち上らせる
貴女は今度はその煙を目で追っていくが
貴女の表情は悔しそうで口元には力が入っている

その時だ
僕は間違いなく見てしまった
貴女の横顔
貴女の頬に流れる一粒一筋の僅かな光

そして一粒の流れが徐々に増えていき
涙の筋が太くなってしまったそのとき
貴女は一瞬僕を見つめて崩れてしまう

助けて・・
そう搾り出すかのように声を出す貴女に
僕が出来ることは
強く抱きしめることだけなのか
それとも他に何か僕に出来ることがあるのだろうか

どうすれば貴女が癒されるように
どうすれば貴女の気持ちが落ち着いていられるように
僕に出来るというのだろう

一人暮らしの部屋へ帰る貴女と
家庭という世界へ帰る僕とでは
既にこの出会いは間違えた出会いだったというのだろうか
それとも
今ここから何か答えを出すことが出来るというのだろうか

僕たちはもう一度
部屋の明かりを消して
二人きりの蒼暗い海の中へ
漕ぎ出していくしかない
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